ホンダ CM 1985年 CR-X フランス・ギャル「涙のシャンソン日記」
去年マリエンバートで [DVD] |
28年前、分けも分からず、狐につままれたように、不思議な感覚に陥った映画で、つい最近また見直してみて、やはり凄い映画だと、改めて感じ入りました。脚本家のアランロブ グリエは黒澤の羅生門に感動し、この脚本を書いたのですが、やはり、羅生門30年前に初めて見たとき、一発で好きになった映画で、個人的には何とも言えない因果を感じます。ロケ地はドイツのノイエスシュロス城という美しいお城です。ここがマリエンバートという設定らしいですが、そこに毎年バカンスで訪れる夫婦がいて、その奥さんに、ある男が「私はあなたと約束をした、一緒に逃げるという。」というようなことを言いますが、奥さんにはそんな記憶はありません。ところが執拗に男から「絶対約束をした。」と言われ続け、いつしか奥さんの記憶も、、会ったことがある、約束したかも?と曖昧になっていくというストーリーです。監督のアランレネと脚本家のアランロブグリエは、1、男の主観的な回想。2、奥さんの主観的な回想。3、現在の描写。4、旦那の過去の客観的な記憶。といった4つの脚本を用意し、時間軸も調整しながら、その4つの脚本をバラバラにしてつなぎ合わせた映画を創りました。よく見ると衣装などでその相違を研究することはできるし、時間のダイアグラム付きの脚本も1冊だけ存在するようですが、役者達も混乱をしたようです。そしてその混乱も監督の意図とするところだったようです。衣装はシャネルが担当しており、モノクロームの映像や独特な演出、カメラワークによって非常に美しい物語になっており、脚本も合わせて1961年、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞をしています。自分が身を置く現在という時間を使って、過去を自在にコントロールすることによって、信じられない未来を造り出すこともできるのかも?と思ってしまう。主観的にコントロールされた過去によって客観的に見たすべてのものが変えられるという、なんだか深い作品です。下世話に言えば、多くの詐欺師が「嘘」によって未来を創るのと同じかもしれませんね。(笑)傑作です。 |
去年マリエンバートで【字幕版】 [VHS] |
学生のときにはじめて見て、映像が作り出すダークさに心を奪われ、以降しばらくの間、何回も繰り返し見ています。 ストーリーを期待しちゃうと滑りますが、雰囲気は抜群。 ただ、その映像を流しておくだけでもいいかも。 バロック的なもの、スタイリッシュで耽美な雰囲気を 求める方に、お勧め。 |