キッドナップ・ブルース 【初DVD化】 |
タモリのレコードでインパクトのあるジャケを撮影していた浅井愼平の監督作品。ATGらしいシュールな、そして淡々と話がドキュメントタッチで進んで行くロードムービーだが、同じく“ビック3”といわれたビートたけし、明石家さんまに比べて、役者としてはほとんど活動しないタモリが、大衆の中の一般的な中年男性を抑えた演技で好演している。
このタモリと少女。行き場のない孤独な二人はどこへ向かうでなく、ひたすらに自転車に乗って足の向くまま旅へ出る。田園地帯、海岸、雪山、草原・・・。道中の様々な旅景色が本当に切ない程に美しく、ここに写真家としての浅井慎平の実力を見る。 森のなかでタモリが中腰でラッパを吹きながら少女と追っかけっこをしているシーン(タモリのアドリブっぽい)が、微笑ましいまでのほのぼの感と、薄暗い森のなかの幻想感とが絶妙で、とても素敵なシーンとなっている。 所ジョージ、山下洋輔、川谷拓三、小松方正などバラエティに飛んだ役者陣営も楽しい。 |
タモリ |
今のタモリからはおそらく皆が想像できないだろうが、これがホントのタモリの姿。とにかくマニアックで濃くて理解不能で、それでいて面白い。今の若手芸人達も素晴らしいが、このような馬鹿馬鹿しくも面楽しい芸はなかなかできまい。収録の「テーブルゲーム世界選手権」は秀逸。「ソバヤ」は名曲??タモリの芸の本質と根底にあるエンターテインメント魂をこのCDに見た。今や幻の一品だから 見つけたら買ってね。 |
タモリ(2) |
今から25年以上前(1978年)に発売されたパロディ・レコードの復刻版CD(95年発売) 「音楽の変遷(教養講座)」「バスガイド」「落語」「講談」等の音楽・話芸を聴かせてくれる。現在のようなアクの抜けたタモリではなく、過激なギャグの連発。今一度聴くと、決して古典的ではなく斬新で、その後のギャグ業界に影響を与えていると思われる箇所も多い。 個人的には「材木屋吉兵衛」がお気に入りです。 |