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夫婦善哉 [DVD]
 昭和7年の大阪を舞台にした、曽根崎の売れっ子芸者蝶子が、森繁久彌演ずる、実家の船場の化粧問屋を勘当された柳吉を、冷たい世間の風に晒されながら、健気に支える人情噺。

 粋でいなせであるが、口先ばかりで飽きっぽい、生まれついてのボンボン気質が板についた柳吉を、流暢な大阪弁でたくみに演じる森繁がすばらしい。日陰の身を儚みながら、自らの存在理由を証明するかのように、店を切り盛りする気丈な大阪女を演じる淡島千景もまた同様に艶がある。

 柔らかい、流れるような大阪弁を堪能できるのも魅力。昭和初期のモダン都市大阪の代表的風俗、曽根崎界隈、自由軒のライスカレー、船場の問屋街の風景にノスタルジーを感じる。言葉は現在でもあまり変わらないところは、上方言葉がいかに大阪人にとってのアイデンティティになっているかを証明している。

 豪商の金銭感覚について興味深い話もある。柳吉の巧みな作戦で、実妹から仕送りさせた金が300円。その後、肺を病んで畳んだおでん屋を売り払った金が250円。この頃の豪商の羽振りのよさと、飲食店を開店する敷居の低さは、現在と比べると隔世の感がある。これほどの財力を見せつけられると、最後の最後まで自分を冷遇する船場の実家への未練たらしい気持ちもわかろうというもの。


 

わが町 [DVD]
幾多の不幸に挫けず豪快に活きる。
死ぬまで体で懸命に働く。
ベンゲットのターやん。

わが町、大阪風情は、ほのぼの人情。
辰巳柳太郎、南田洋子の熱演は、見事の一言。

ラストの微妙な展開は、様々な感慨を呼ぶ。

明治の気概、日本人の気概は、何処へ向かうのだろうか。



 

夫婦善哉 (新潮文庫)
戦争前後の大阪が舞台の短編集です。
好きなんでしょうね大阪の町が
織田作之助さんは


ここに出てくる人たちの生き方が
いま私が住んでいるところの人たちと重なっていて
商売っ気たっぷりで無計画そしてタフ
面白く読み進めることができました。

普段使わない言葉がいっぱい出てくるところも気に入ってます。
妾・里子・押し掛け女房
夜店・奉公先・色町
こういう言葉を実際に使ってみたいですね。



 

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