〈歴史・時代小説ファン必携〉【絵解き】雑兵足軽たちの戦い (講談社文庫) |
主に雑兵の視点から戦場の様子が描かれている。
戦国時代や合戦を、ミクロの視点から見られる良書。 読んでいて人間が武器を持ち、命を奪い合うことの峻烈さが垣間見える気がした。 殊に、武器・防具・携帯品の合理性、武器別の戦い方、 陣中での生活(食、排泄、医、博打、盗み、略奪、女、商売) など、最下級の兵士たちの姿をほうふつとさせる章が面白いと思った。 「下級兵士の発生」から「江戸期以後の足軽」まで 時代を追って雑兵たちの歴史を眺めることが出来る。 また、戦国時代好きには、時折挿入されている『雑兵物語』からの抜粋が大変勉強になると思う。 ただ一つ、細かいことを言うと、編集のツメが甘いところがある。 15ページの「お貸し刀」と言う挿絵の解説にいきなり、 「そんな薩摩藩も、、、」と、 冒頭からそれまで、薩摩藩の話なぞ、これっぽっちも出ていないのに、 いきなりそんな表現が出ていて、「げ、落丁本か?!」と思った。 が、前後を見るとどうもそうではなく、結局、かなり後に、 ほんの少し薩摩藩に触れているところがあり、そこと繋がるのだということがわかった。 内容は☆5つ。 |
絵解き戦国武士の合戦心得―歴史・時代小説ファン必携 (講談社文庫) |
ミリタリーイラストでお馴染みの、「上田信」先生が、詳細な解説イラストを描いてます。
近代兵器同様、精密で分かり易い、戦国時代のイラストが満載! 槍や刀、火縄銃などの他に、大筒や鳴り物、切腹や女武者など、他書ではあまり触れないような話題にも(浅く)触れてます。 値段の割には、相当充実した内容です。 オリジナルを持ってない方は、是非こちらを購入しましょう! |
運命の剣 のきばしら (PHP文庫) |
のきばしら・・・。
ある刀鍛冶が、心血をそそいで打ち上げた無銘の刀。 この名刀が、時代の流れと共に多くの人びとの手を経て、その役目を終えるまでの物語。 複数の作家が共通のテーマで話を紡ぎあげる企画は珍しくないですが、 この本は面白い。 各作家と、その作家らしいストーリーにニヤリとさせられるし、全体のまとまりも良い。 名刀は世にたくさんあるが、この一振りは特別だ。 敗戦直後、消え行く運命にあった多くの日本刀を救うために、アメリカ人の眼前で「鉄板切り」に挑戦させられるのだから・・・。 是非、映画かテレビドラマになって欲しい。 |