統合失調症のクロ
心の病は脳の傷―うつ病・統合失調症・認知症が治る |
放射線科医の松沢大樹先生という方が発見した、脳の画像と血液検査による精神疾患の診断法と治療法について書かれた本です。書いたのは医療ジャーナリストの方です。従来の精神科医療による方法とは全く違った角度からの精神疾患に対するアプローチだと思います。内容については松沢先生らの研究による精神疾患の起こるメカニズムや認知症について、実際の患者さんの例、あとは治癒のしくみと治療法などです。精神科による精神疾患や障害の分類は非常に多岐にわたりますが、精神科での診断は受けていない方も含め、精神的不調を抱えた全ての人に対応できる方法なのではないでしょうか。治療法については食事と運動によって、脳に出来てしまった損傷を修復するといったものなのですが、個人的には傷が修復されるメカニズムや、有効な食品についてもっと詳しく書いてほしかったなという思いもありますが、それでも一人でも多くの方に読んで欲しいなと思える本でした。 |
統合失調症―正しい理解と治療法 (健康ライブラリーイラスト版) |
とても分かりやすく読みやすい本でした。統合失調症について、症状、薬の種類、治療の方法、どのように接したらよいか、などの基本的なことがきちんと網羅されているのですが、イラストを多めに明るいタッチでまとめられていたので、とても読みやすかったです。統合失調症の本のなかには、患者さんや家族がうっかり読んでしまうと余計いやーな気分になりそうな暗い本も多いのですが、この本は症状の軽い患者さんが自分で読んでみたりするのにもとてもよいと思います。 |
統合失調症―患者・家族を支えた実例集 |
患者の親族として、再発後4冊目に読んだ本です。どの本も皆わかりやすく参考になりましたが、この本が1番でした。内容は、筆者が運営しているインターネット上の心の病に関する相談「Dr 林の心と脳の相談室」のQ&Aと一部重複しているようです。それでも、インターネット上のQ&Aで見ていくのと違い、本は体系的に整理されているほか、多少図やグラフなども使われているため、やはり買う価値はあるでしょう。
また、すべて実例をもとにしていますので、具体的なイメージがしやすく、とにかくわかりやすく説明されています。あなた自身や家族に非常によく似た症例とそれに対する対応も探すことができるかもしれません。さらに、他の本にない「治療しなかった場合」の例なども掲載されていて、患者に対する今後の対応を考える上で、とても参考になりました。 この本のおかげで、患者の将来に対して少し希望が持てるような気がしてきたところです。 |