The Bridge on the River Kwai(1957) - Colonel Bogey March
戦場にかける橋 [DVD] |
太平洋戦争下のビルマ、日本軍は鉄道を通すために、英軍の捕虜に橋をつくらせる。捕虜部隊の隊長は、立派な橋をつくるのは英軍の誇りであると、部下を督励してついに完成させる。一方でセイロン島の英軍ではその橋を爆破する計画をたてていた。
隊長のアレック・ギネスは、苦心の末につくった橋を、最後には自分で爆破させる結果になる。この逆説が戦争の狂気を強調している。このテーマは重い。しかし、このことと映画の完成度がどうであるかは別の問題。ウィリアム・ホールデンのロマンスは余分。ジャングルを突破する場面はお手軽で、格調高い作品とはおもえない。 それにしても、無用の軍刀をさげた日本軍の大佐、ピリッとしない日本兵の態度、遅れた機械力は情けないほどで、日本人のわたしとしてはあまり見たくない作品である。 |
戦場にかける橋【字幕版】 [VHS] |
最後の場面でホールデン、早川、そしてアレック・ギネス演じる英国人士官の動きによって、登場人物たち、とくにギネスの演じる人物の内面的混乱が映像的ダイナミズムをもって巧みに具現化される。そして彼らの内面的ドラマは圧倒的な映像表現とともに終局に向かってゆく。これこそデイヴィッド・リーンの真骨頂である。映画ならではの技法のひとつの高度な成功例がここにある。 |
戦場にかける橋 [DVD] |
クラシックで名作といわれるものの中には見て退屈になっちゃうのもあるけど、これは本当に素晴らしい名作といえます。日本軍の過酷な捕虜の扱いに毅然とした態度で抗議する大佐に西側諸国の皆さんはそりゃあ感動した事でしょう。この作品では日本軍が悪者役ですが(当然よね)偏りすぎず、お互い軍人としてのプライドをもった人間として描かれてるので中立的立場で見ることができます。早川雪州の演技も素晴らしく、日本人でこんな人いたんだあ、と感動してしまいました。 |
戦場にかける橋 [VHS] |
最後の場面でホールデン、早川、そしてアレック・ギネス演じる英国人士官の動きによって、登場人物たち、とくにギネスの演じる人物の内面的混乱が映像的ダイナミズムをもって巧みに具現化される。そして彼らの内面的ドラマは圧倒的な映像表現とともに終局に向かってゆく。これこそデイヴィッド・リーンの真骨頂である。映画ならではの技法のひとつの高度な成功例がここにある。 |
歴史和解と泰緬鉄道 英国人捕虜が描いた収容所の真実 (朝日選書) |
BC級戦犯の悲劇を描いた「私は貝になりたい」と、あわせて読みたい一冊。
「泰緬鉄道」は、南京やバターン「死の行進」とならんで、欧米諸国ではよく知られてきた日本軍の残虐事件。本書は、鉄道建設の様子を現場でつぶさに描いたイギリス人捕虜、ジャック・チョーカーのイラストをカラーで紹介している。かなりショッキングで残酷なイラストも少なくない。 だが、本書が訴えているのは、日本軍の問題行為の「告発」ではなく、相互の歴史の学びをふまえた「和解」である。チョーカーは、日本に謝罪や補償を要求せず、互いに歴史を学習することの意義を強調する。 複雑な「歴史のひだ」のなかで、かつての敵同士が、加害者も被害者も共に歴史に対して謙虚であるということが、本書のいう「歴史和解」の前提である。 「和解」の論客である朴裕河と小菅信子、ビルマ研究家の根本敬による座談会は、さまざまな意味で非常に刺激的である。小菅のいう、和解は非常に困難な課題であって、一度に100点満点はとることはできない、だからこそ、「0点よりは40点、40点よりは60点」をめざして相互に多様な取り組みをすべきだ、という議論は印象的である。 また、朴と小菅が口をそろえて、「国際和解」よりも「内部の和解」「国内和解」のほうが困難と指摘している部分は示唆に富んでいた。 本書でなされている議論の多くは、今後の国内の戦争責任論や「和解論」の展開のための、良い叩き台になるだろう。 |