オフ・オフ・マザー・グース |
携わった人々が皆一流だからといって作品の価値が決まるわけではないことは重々承知。 けれどこれは本当に素晴らしい。 歌詞も曲も,まるで昔から歌い継がれてきた名曲のように自然で美しいです。 演奏の充実度はもういうまでもないでしょう。 |
宮崎駿の雑想ノート 最貧前線 |
モデルグラフィックに掲載された「宮崎駿の雑想ノート」より、太平洋戦争中に米軍機の本土攻撃を監視していた漁船団の活躍物語「最貧前線」のラジオドラマ。
各回ともに有名な俳優が1人で演じる凄いドラマだったが、個人的にはイッセー尾形氏が一番良かった。 ひとり芝居を得意とするイッセー氏の実力の程が凝縮されたような演技力なので、宮崎ファンは元より、イッセーファンへは強くお薦めできる。 因みにストーリーの方は宮崎氏が考えた架空の話で実話ではないが、さも「ありそう?」と思わせる設定力は凄いと思う。 本品はラジオドラマをそのまま収録しただけで特別な特典などはないが、全巻揃えると背表紙の部分で一枚の画になる作りになっている。 |
イッセー尾形の人生コーチング |
自分のことを話しても人は興味を持ってくれないという件はなるほどという気にさせられたが、どうすれば4日間の練習で素人に演劇をさせられるかということが主題で、それ以上の広がりがあまり感じられなかった。演出家に翻弄され続ける素人出演者の姿が痛々しい。
筆者が取材者らに近づきすぎ、共感しすぎているとも感じた。 |
イッセー尾形のナマ本〈巻1〉深夜生活編 (小学館文庫) |
アッという間に読める。ある。たしかにこんな人生がある。全人類に読んでほしい。しかし、糸井重里氏の解説には疑問を持った。糸井氏はイッセー尾形氏の舞台を他の演劇とは違うモノと位置付け、観劇ではなく「ただ観察する」ことが礼儀だとしている。しかし僕は、この本を読んだ限りでは、他の演劇となんら違うモノではないと感じる。フツウに楽しみ、共感し、反発するのは軽率、無礼なことだろうか。 |
イッセー尾形 一人芝居 2006春 クエストホール [DVD] |
カメラアングルがあっちこっちに行き過ぎて個人的にすこし不愉快な感じがしました。カメラを固定せずに右にいったり、左にいったりするのはカメラマンのこだわりなのでしょうか?けど「それがいい」という人もいると思うので一概にダメとは言えませんが・・・
それ以外は満足です。ネタは流石としか言いようのない出来。ベタかもしれませんが「肉屋」は相当ツボでした。 値段も2100円と買いやすい値段なのでファンじゃない人も「とりあえず」でどうでしょうか? |
トニー滝谷 プレミアム・エディション [DVD] |
ズルい映画だ。海外における評価も高く、おそらく夏目漱石や川端康成のように文学史において名を残すことになるであろう村上春樹大先生の短編が原作だけに、ストーリーに忠実どころか一字一句誤ることなく正確に模写された作品だからだ。今や村上春樹の解説本なるものも出回っており、かつてのゴダールのような扱いを受けている作家に挑む気概は、この市川準という監督にはなかったことがはっきりわかる。
西島俊彦のナレーションというか小説の朗読があくまでも主であり、映像はひたすら小説の流れに従うように控えめに映し出される。Tシャツのプリントから着想をえたという村上春樹の原作は、現代人の喪失感や孤独感に満ちてはいるが、主人公の生活は経済的に保証されており完璧に滅菌されている。そこには、背に腹は変えられぬ苦しみや人間臭さを感じることはできない。 現実から剥離した原作の一部を、登場人物のイッセー尾形や宮沢りえにそのまま読ませるような演出をしているが、それでは監督自身のこの原作に対する解釈が反映されないのは目に見えている。村上春樹の小説を好んで読む読者たちと作家との距離感はあまり違わない。 自分の領域にふみこまれたくないために、他人の領域もおかそうともしない現代人。作家が意図したのは、他人と積極的に関わろうとしないまさにその孤独感だったが、この市川準という監督にも、作家大先生の領域にふみこもうとしない現代病のもどかしさを感じなくはない。 |
太陽 [DVD] |
みな演技がすごくうまい。
裕仁さんの悪夢での東京空襲空想映像が幻想的残虐さで、 評価できる。 音声のダイナミックレンジを使い切って、 音声編集されており、 劇場で見れなかった事を後悔した。 ストーリーは、 私の考えていた、裕仁さん像と完全に一致。 大日本帝国臣民(植民地人を含む。) への戦争責任については、 これからも追求していくが、 勝戦国への戦争責任については、 私の範疇ではないので、 とりあえずペンディングとする。 (私の立場は天皇制廃止論者です。 「私たちは解放された。」 「やっと神をやめる事ができた。」 と安堵してる様子が印象的。 |