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映画 「蛇にピアス」 特報 Movie trailer




蛇にピアス [DVD]
吉高由里子の迫真の演技は必見!美しい全裸は興奮もの!濡れ場も演じなれないくせに、女優気取りしている今の若手とは格が違う。

 

カフカ 田舎医者 [DVD]
田舎医者はカフカ特有の不条理さが炸裂している彼の代表的な短編の一つだ。しがない田舎医者が自分の労働環境にぼやき、瀕死の少年を眼前に裸になって逃げ出すというストーリーはなんとも現実離れしている。しかし、過労からくるモラルの欠如などは日本の医療現場にも当てはまらないだろうか。カフカの世界が歪んで見えるのは、現実世界そのものが歪んでいるからだ、と思えてしまう。

今回のアニメーション化において目立ったのもこの歪みであり、カフカ独特の不安と緊張感が全編を通して伝わってくる。田舎医者の頭を見れば分かるように、登場人物や背景は極端にデフォルメされ、物語のテンポは変則的でとっぴょうしもない。それに加えて、ぼかしのようなエフェクトが一種の閉鎖感を与えている。アニメとしてはヘンテコだが、カフカの世界が忠実に再現されており、カフカの読者もうならせる仕上がりになっている。

さらに山村氏は映像化するにあたって、いくつか田舎医者の解釈を提示した、と自負している。僕が気づいたのは田舎医者に仕えるうら若き乙女ローザが、原作者にそっくりなこと。美しい鼻筋と太い眉毛にパッチリした目。もうカフカにしか見えない。カフカも若い頃に逆レイプされた、という説があるのでそのへんと関係がありそうだ。

また、それより重要だと思えるのが、美しい傷を持った少年と田舎医者が実はそっくりの顔と体つきをしていること。実際、田舎医者の原作を読む限りは二人に共通する身体的特徴は一切書かれていない。今回、あえて田舎医者と少年をそっくりにしたことで、山村氏は二人の共通点を鮮明に浮き上がらせることに成功している。それはキャッチコピーにあるとおり、「絶望の朝」を二人がこれから迎えることである、と僕は思う。

商品の詳細には21分と書いてあるので心配だが、是非ともメイキングやインタビューも追加してほしい。特典映像追加の願いを込めて星5つ。





 

吉高由里子 フォトエッセイ 吉高由里子のあいうえお
今、ドラマや映画で注目の由里子ちゃん。今後の活躍にも期待だ。ファイト〜V(^0^)

 

蛇にピアス
第130回芥川賞受賞作であり、第27回すばる文学賞受賞作の本作品。
レビューでの評判がすごぶる悪いのに驚いた。
私は受賞作だということは何年も前から知っていたが、それだけの理由では読む気がなかった。
ネットであらすじを読むにつれ、興味が湧いたのだ。
描写が過激だ、それにつられている、内容がない、という評価が多いが、私にとってはどちらかというとほんのわずか先にある現実である。もちろん、自分はスプリットタンもしていないし、ボディピアスもない。SM趣味もなければ、タトゥーだって興味がない。

 しかし、身近にいる人々の深いところまで、私達は知っているだろうか?知っているつもりなだけではないのだろうか。一番の関心事は自分。セックスだってするし、恋人だっている。しかし、未来がつかめず、不安だらけで生きている現実味がない、そんな言葉をどこか人は人知れず自分の心の中に持っているのではないだろうか。

この作品は読み終えるとなんとも完結なのかとあっけにとられる終わり方でしめられている。
それが、評価の悪さになっている気がする。私もちょっと驚いた。
しかし、何度か読み返して欲しい。こんな作品のどこが、と酷評を書いた、あなたも。
気になるポイントポイントを読み返すといいと思う。ちゃんと伏線が貼ってあるのだ。
夏休みに読書感想文を書け、と渡される昔からある名作にはわかりやすい伏線があるものだが、
この作品はかなりそれがわかりにくくて難しい。私もきっと、いくつも置かれている伏線を読み落としている。そこが少し難点といえば難点であるが、この作品を作者がわずか19歳のときに書いたと思えば驚きに値する。しっかりとした文章力で惹きつけるものを感じる。その謎解きのような隠れた伏線をさがしあてる醍醐味を見つけてはどうかと思う。


 

ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ
 私的なベスト3は、第三位・金原ひとみ。若夫婦・光と葵が直面する葵の出産。怖い。ごく普通の出産が、物の怪なんかよりずっと怖くてリアル。葵のマタニティー・ブルーを、光は理解できない。ごく普通の愛し合う夫婦なのに。男と女はこうして千年わかり合えずにいるのだとリアルに感じてしまう。胎児の性別を聞いて、なぜかパニック状態に陥り、光に悪態をつく葵に対して光のかける言葉が「葵、やめなよ。赤ちゃんに聞こえる」。千年経っても男はこういう無神経さをさらけ出す。
 第二位・桐野夏生。女三宮が過去を振り返る。かつては光源氏と言われた貴公子だった六条院様は“祖父というには早いですが、歳を取り過ぎて”いて、女三宮は“幼い時の紫の上様”と比べても“今の紫の上様”と比べてももの足りなく思われ、“六条院様に何度も叱られ、貶され、しているうちに、自信のない縮こまった”気持ちになる。老いて嫌みったらしく、嫉妬深くなっていく光源氏の描写は秀逸で、驚くばかり。みごとな黒源氏だ。
 そして第一位・町田康。ファンの欲目を差し引いても、すごすぎる。末摘花に対する源氏の思い込みや妄想が町田節で展開するのだが、もう本当にこの人の日本語は凄いです、一字一句めちゃくちゃおもしろい。読んだそばから読み返します。末摘花の琴を他の部屋で聴いていた源氏が、命婦に「もっと聴きたいんだけど。っていうか、向こうの部屋で聴きたい。襖越しだと音がミュートされてよくわかんない」と言うと、命婦が「でもどうでしょうか。こういう貧乏な生活してるから服とかもあれだし、いま紹介するのって向こうに逆に悪い感じがするんですけど」と答える……ああもうっ、絶対読んでほしい。源氏や頭中将の嫌らしさも絶品で、ラストはなぜか一気に虚無的に。最高。
 あれ?気がつくと、嫌な源氏ばかりがおもしろい。原典がとにかく源氏はベリークールって刷り込みだから、少し食傷気味だったのかも。

 

金原ひとみ 動画


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