海を渡ったSAMURAI 誰も知らなかった桑田真澄 6/6
![]() 伝統の一戦 阪神VS巨人70年史 [DVD] |
本作は阪神・巨人戦の歴史の中から名場面を選りすぐり、阪神サイドから光をあてた阪神版。私は巨人ファンだが関西で生まれ育ち、毎日阪神の記事が一面のスポーツ紙を家でとっていた。したがって、阪神の選手たちにも思い入れがある。私がプロ野球に一番熱中していたのは巨人のV9中期から長嶋巨人初期にかけて毎年のように巨人・阪神が優勝を争っていた時期である。残念ながら、戦前から江川・小林の因縁の対決の頃までは、ナレーターこそ違うけど(本作では月亭八方)巨人版と同じ映像が使われている。王の素振りの場面まで本作に入れる必要があったのだろうか。この時期で巨人版にあって阪神版にないのは王の1試合4打席連続ホームランの試合ぐらいである。私が一番思い入れのある村山・江夏・田淵の映像が阪神版にしては少ないのが物足りない。
阪神版が独自色を出すのは85年から。そのシーズンのTG第1戦、伝説のバック・スクリーン3連発の第2戦など、あの年の阪神打線の凄さを見せつける試合が次々に紹介され、最後は55号を打たれないように巨人投手陣がバースを敬遠する、巨人ファンには恥かしい場面で締めくくられる。その後、阪神は長い暗黒時代を迎えるが、92年の亀山の活躍、新庄や井川の台頭、代打八木の活躍等で巨人にサヨナラ勝ちした試合が多く収録されているので、阪神ファンは満足できるだろう。巨人版ではこの頃はホームランで勝つ試合が、阪神版ではヒットを積み重ねて勝つ試合が多く紹介されている。野村監督の時代には開花しなかったそのこつこつ野球が、星野・岡田両監督の下での優勝に結びついていく軌跡がよくわかる。 本作に登場するには、魅力ある日本プロ野球の歴史を作った阪神・巨人の名選手たちばかりである。熱い対決の伝統が今後も引き継がれることを願ってやまない。 |
![]() 試練が人を磨く 桑田真澄という生き方 (扶桑社文庫 く 8-1) (扶桑社文庫) |
桑田投手のリハビリ中のランニングの後が今でもジャイアンツ球場に残っていて
桑田ロードと言われているようです。 PLの先輩清水さんの分まで頑張ろうとしていたのだと思いました。 最近テレビの解説としてでてましたが、凄く体験談を交えていい話だと思ってました。 現役を引退しましたが、第2の人生も頑張ってほしいと思ってます。 |
![]() 不惑 桑田・清原と戦った男たち |
桑田、清原を中心に、PL学園が甲子園で圧倒的な強さを発揮して25年になる。
もうそんなになったのか……と思う反面、桑田はとうとう現役を引退し、 清原はボロボロになっても、まだ野球界にいる。 本書は、9人の人選が秀逸である。多くは、清原・桑田に挑み、時には勝ち、時には破れ、 今は表舞台から去った野球人たち。それぞれ紆余曲折を経て、 「あの時代」を語る。 桑田と清原を神格化する本ではない。主人公は他の9人だ。 当時のPLの捕手、今久留主成幸が、こういう。 「10年先のことはわからない。でも今は幸せです。そう思えるだけで十分。野球をやっててよかった」 9人とも、25年間を悔いてないところがいい。もちろんいろいろあっただろう。 しかしかつては悔いていたことが、25年が過ぎて消えていったこともあると思う。 そういう心の揺れが感じられる良書である。 ある意味で、恵まれた野球人生を送ったともいえる9人であり、 この下には、もっともっと苦しんだ野球人たちがいたことも忘れてはならないと思う。 ルポルタージュとしては、コンパクトにまとまりすぎの嫌いもあるが、 嫌味のない本である。 |
![]() 桑田真澄 ピッチャーズバイブル (集英社文庫) |
小学校のときに、運動といえば、野球部しかなく、しかも人数が限られて、入れなかった人と入れた人に分けられ、運動場を独占できる人とそうでない人に区分された。
中学でも、高校でも、成績が悪いのに、野球部だけ予算が多いのには納得できなかった。 全国大会にでている文化部と、地方の初戦で負けてくる野球部で、なぜ予算が同じなのだろう。そんな思いから、野球は大嫌いだ。 しかし、桑田真澄のように、自分の考えで何かを努力しようとしている人の足跡は参考になる。 |