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評決の時 / Swanky Swipe




評決のとき【字幕版】 [VHS]
サンドラ・ブロックやマシュー・マコノヒーがでています。話はある黒人の女の子がレイプされ、殺されかけます。犯人は白人の男二人。その男たちを女の子の父親が銃殺します。事件が起きたのはアメリカ南部で根強く黒人に対する差別が残るエリアでした。その父親の罪を巡って起きる裁判にまつわる話です。

今時こんな差別はないと思いたいというようなシーンが何度もでてきます。黒人が、白人が、という数々の発言。そして裁判に関わる人たちを脅す人たち。裁判の行く末はどうなってしまうのか、はらはらします。本当の正義がなんなのかはわからないけれど、大事なことってなんだろうと心に波紋をなげかける映画でした。


 

評決のとき [DVD]
この作品をみて思った大切なポイントは、主人公の青年弁護士ジェイクに語る先輩元弁護士ルシアンの言うように、有罪判決がでても無罪判決がでても「正義」が成り立つということだ。不可解なことだけど、正義は両極端な結論の両方ともに成立しているのである。有罪になれば社会秩序を保つ社会政策的な法的正義が、無罪になれば親として子を思う倫理的な正義が保たれると考えられる。では、どちらを優先すべきか?非常に難しい問題にぶちあたっていることに陪審員たちも、そして、見ている我々観客も気づく。もちろんその核心的な問題をクリアする為には人種に対する偏見、思想が絡み合う。
 よく正義は勝つなどというが、この事件においてはそう単純に正義だ正義だと大義名分のように声高に叫んでも絶対にこっちが正しいとはいえず、観客は逡巡するだろう。
 マシューマコノヒーの熱演(特に最終弁論には心打たれる)と脇を固めるサザーランド親子やケビンスペイシーら名優の演技にも注目したいすばらしい作品に仕上がっていると思う。私の好きな映画ベスト5に入る名作です。

 

評決のとき [DVD]
アメリカは日本より法廷劇が好きらしくいろいろな映画がありますが、これは見ても損はしません。

 暴行事件の裁判なのですが、多民族国家アメリカならではの人種差別、白人対黒人の争いが争点となっています。黒人の女の子が被害者、白人が加害者という図式ですが、キャスティングはなかなかです。弁護役にマシュー・マコノヒー、威厳のある検事役にぴったりのケビン・スペーシー、被害者の父親兼加害者(見てのお楽しみ)のサミュエル・ジャクソン。火花まで散りませんがなかなかの戦いです。
 向こうの裁判は陪審制のせいでしょうか、深層心理に訴えかけるシーンがジンときます。「ゴースト・オブ・ミシシッピ」より感情移入しやすいですよ!


 

評決のとき [DVD]
一生懸命な若い弁護士の、最後のたった一言で、評決が覆されるかどうかというところが見所の映画。
とっても面白かったです。ただし、被告は情状酌量の余地はあるが、完全にイノセントとは言えないのが難しい所。ズル(証拠を盗みに入ったり)してでも勝っちゃえば正義というのが、ちょっと釈然としない。人種問題が間にからんでなかったら、やっぱり有罪なのでは、と思う状況ですからね。
この映画の後に発生した、OJシンプソンのケースは正にそれで無実になってしまった。

人種問題というのは、究極の所『相手の立場になれるかどうか』というのがポイントだと思うんです。しかしアメリカでは、どうしてもお前らと俺たち(you people and us)という感じで、決して感覚的に同列に並べない。そこをついたラストがとても効果的でした。

グリシャムの映画ってはずれないのね。ただしサンドラ・ブロックのキャラは煩いハエみたいに全く魅力がなく邪魔だった。

 

評決のとき〈下〉 (新潮文庫)
幼い黒人の少女が強姦されるシーンから始まるこの作品。少女の父親は復讐のために犯人を殺害する。主人公の弁護士はその父親を弁護する。先がどうなるのかドキドキしながら読めた。この本を通してアメリカの黒人差別の根の深さを知ることが出来た。内容はとても重く暗いが最後に無罪の判決がでた父親が主人公に礼を述べたとき自分まで晴れやかな気持ちになれた。

 

評決のとき〈上〉 (新潮文庫)
差別とか正義とか良くわかんないんだけどさ。これだけは明言できる。

「人間が運用する限り、完全な法律は存在しない」

つまり現実の法律を運用するのは、正義の味方だけじゃない。脅迫だったり
裏金や出世欲だったり、そういう汚い部分もこの作品は、しっかり描いてる。
さすが現役弁護士時代のデビュー作だ、リアルだな。法律は万能じゃないし。
法律には利害調整的なところもあると、この作品は気づかせてくれた。

結局、一つの正論の裏には、多くの例外やスキマがある。だから弁護士は
膨大な判例資料を必要とする。だって人間の行動は、ロボットみたいに
パターン化できないでしょ。正論を高い所から一方的に、弱者に押付けて
いいのか?それだけで、テロや矛盾は収まるだろうか?公平とは?考える上で
多くのヒントがこの作品に詰まってる。

僕は、例外を排除した理想社会なんて、息苦しいだろうなと想う。例外は、
事故も生むが、そこから新発見もありうる。それで良いじゃん。例外がある、
だから面白い!だからファンタジスタ!!弱者にスキマや例外というチャンス
くらい、あっても良いんじゃない?
PS●男の使命か妻の安心か、里見の葛藤→『白い巨塔』
●レイスキラーとサミュエル刑事→『シャフト』タイディマン
●保釈金融屋と密売人サミュエル→『ジャッキーブラウン』(ラムパンチ角川

 

評決のとき 動画


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