フェルメール 「小路」 (2/3)
池袋ウエストゲートパーク Classic Edition |
このCDはとても聴きごたえがある。原作にはいろんな音楽が聴こえてくるけれど、誠くんのセンスは素晴らしい!クラシックだから素晴らしいとかではなくて、メロディーに対するセンスが素晴らしいのです。 このCDを聴きながら原作を読んでいると、想像の翼が広がっていくのが感じられて、テレビドラマとは違う感覚が味わえる。 なんといっても感動的なのは、トラック10のバッハのマタイ受難曲からのアリア。あまりにも優しさに満ちあふれたこの曲が、現代の、いろんなものが混じり合い、それでもアットホームな感覚を与える不思議な街、池袋の、それも西口公園の夜景に驚く程シンクロしている。こんなこと、だれが思いつくだろうか。誠のくんのセンス、そして作者のセンスに脱帽だ。 |
ベートーヴェン : 弦楽四重奏曲全集1〔第8&第9番〕 |
4つの楽器がとても良いバランスで演奏されており,たいへん心地よく,これぞ音楽といったところ。2002年5月の来日で8番の演奏を聴いたが,これも素晴らしかった。このカルテットの特徴は,4つの楽器で曲を演奏しているところ。第1バイオリンだけが主役というわけではない。来日時の公開レッスンも聴講したが,アンサンブル,バランス,イントネーションを重視するその姿勢は,このCDでもよくわかる。彼らそれぞれがかなりの凄腕なのだが,それを聴いている側に押し付けていないのも,快適に聴ける要因だろう。お勧めの1枚。 |
フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版) (集英社新書ヴィジュアル版) |
写真がもう少し大きければ、と無い物ねだりをしてしまう。
自分が目の前で見たことがあるのは、「真珠の耳飾りの少女」だけだけれども、その大きさに驚いた記憶がある。 寡作で小品が多いだけに本当に貴重な資料だと思う。 世界中からかき集め、一堂に並べることが出来たなら、どれだけの行列になるのだろうか。 |
フェルメール ――謎めいた生涯と全作品 Kadokawa Art Selection (角川文庫) |
フェルメール論ならこの人って言われているのが本文庫の作者、小林頼子女史ですが、朽木ゆり子女史の「全点踏破の旅」もよく読まれておりますね。2008年の日本は、展覧会が行われている事もあって、まさに美術界はフェルメール一色です。
1654年10月12日午前10時30分、フェルメールの生地オランダ・デルフトで、画家の画風を一変させるある重大な事件が起こりました。一体、何が起こったのでしょう? 画家の画風は1674年のパトロンの死によっても、また宿敵フランスの侵略によっても大きく変わっていきました。はてさて? 小林は、個々の絵画が持つ意味合いというものには余り重視せず、むしろ、画面の描き方そのものに興味を持って「フェルメール論」を展開しております。 本書は、10年前に出版された「フェルメール論」の圧縮版であるため、文字通り学術書に他ならず、アマチュア美術愛好家にとっては少々小難しい・しつこい箇所もあります。 「デルフト眺望」は、実際に現地を歩いた感想も含め、非常に細かな評論を展開していますが、「よくここまでやるよ!」って感心してしまいます。 小林によれば、フェルメールの関心は一貫して、 ・人間の目にとって合理的な空間とは何か ・人間の目にとって合理的な光の表現とは何か ということにあったようですよ。 そんなものなのでしょうか? 個人的には「取りもち女」のような風俗画のほうが、圧倒的に面白いとは思いますが・・・・・。 |
西洋絵画の巨匠 (5) フェルメール |
ちゃんとフェルメールの絵画が全て載っていた。
画像は全体像といくつかの部分写真で構成されており、筆跡やニスの変色を 肉眼で確認できるほどハイクオリティーな画像で紹介されている。 画集によくある失敗の一つは、高額なくせに画質が劣り、大きさが小さく、 変色(撮影環境的な)が著しいものを買ってしまった時ではないだろうか? この画集はそんなことはないと思う。 実物の絵画に勝る色彩はないが、「限りなくそれに近いものを体感したい」 という様な意義であればそれなりに捉えている。 |