Nigel Kennedy, Vivaldi´s Summer - III Presto
5×5 THE BEST SELECTION OF 2002←2004 (初回限定盤)(DVD付) |
CDは今までに発売された曲ばかりです。
新しい発見や面白味はありません。 ただ、シングル化された曲だけを集めているので、 どの曲もクオリティーが高く、聴きやすいと思います。 が、そんなCDより魅力的なのがDVDです。 デビュー曲から『Hero』と『瞳の中のGalaxy』のPVまで 全て入っているので、今までなかなかPVを 見る事が出来なかったファンにはたまらないと思います。 まだまだ子供でぎこちなかった昔、 今の和気藹々とした雰囲気、映像と音楽の両方で 成長を楽しめてお得です^^ 特に『Lucky Man』はシングル化されておらず、当時は イベントでしかPVを見れなかったそうなので、 参加出来なかったファンには特に嬉しいのではないでしょうか。 |
新しい大江光 |
大江光さんの3枚目のCD。このCDの解説を大江健三郎さんが書かれています。ポリティカル・コレクトネス(=PC)について、ささやかな問題提起が読み取れます。PCは、政治的公正と訳されていて、社会的少数派の文化・権利などを尊重し、傷つけるような言動を慎もうとすることなのですが、これまでの光さんの作品もPC的な評価を受けていたのだろうか。大江健三郎さんとしては、PCの庇護の下でなく、一人の音楽家として世の中に受け入れたのだと信じたい、という複雑な親心が述べられています。事実、光さんの音楽は、とても素晴らしく、その素晴らしさは、モーツァルトに捧げられたものに類似すると思います。それは邪魔にならない清らかさ、と言いますか、じっくりと聞くととても味わい深いですし、仕事のかたわらBGMで流しておくと何か収まりが良い、というような感じの響きがあります。それは、光さんの心を写した音だからでしょう。何より音の流れが心地よく、聴く者の心も癒してくれるやさしい響きです。このCDには28曲の小品が収められています。初めてお聞きになる方には必ず好きになる曲が見つかると思います。 |
夏の嵐 [VHS] |
ヴィスコンティ監督は、とにかく徹底した映画制作をされる方らしく、どの映画を見てもそう感じます。 わたしは初めて見たヴィスコンティ映画がこの「夏の嵐」で、とにかく圧倒されました。 「第3の男」でも素晴らしいのですが、この映画もそれに並ぶ代表作なのでしょうね。 とにかく完璧に作られた愛の物語をご覧になってください。 |
夏の嵐 [DVD] |
オープニングにいきなりオペラ…という演出はマリア・カラスの舞台をはじめ、数々の名舞台を演出したルキノ・ヴィスコンティならではです。しかもヴェルディの『トロヴァトーレ』の中で最も扇動的で狂気さえ感じられる『恐ろしい炎が』と物悲しいリズムながら狂おしいばかりの官能性を感じる『恋はばら色のつばさに乗って』という二つの名曲を物語のキーにした演出はなんともドラマチックで危険な香りさえ漂います。まさしく映画の世界に観る者を引き込む名演出です。 |
ルキーノ・ヴィスコンティ DVD-BOX 3枚組 ( 揺れる大地 / 夏の嵐 / 家族の肖像 ) |
本当にものがなしい映画です。 だけど、どうしようもない悲しみにうちひしがれたとしても 世間への接点を絶って、絵の中の人物と会話する生活よりもマシだと 教授は最期に思ったのではないかと。 美しく溌剌とした若者たち、いままでの自分の常識の範囲外の人間と接することにより 教授の閉ざされた堅い魂は、じょじょに解きほぐされていく快感を感じ、同時に、 すでに老いてしまった自分自身への憐憫や焦り、またそれに対する悟り・覚悟を どうにもならない寂しさで見つめているのです。 個性的な若者たちもとてもステキです。 私がこの映画をはじめてみたのは高校生の頃ですが どんなにリエッタのようになりたいと願ったことか。無理ですが! よく言われる、教授=ビスコンティ コンラッド=H・バーガー という話ですが そういう気持ちを入れて撮ったと思えばそうだし、そうじゃないと思えば違います。 ようするに映画は、監督がどんな思い入れで撮ったにせよ、受け取り手がどう感じるか それに尽きます。 私は、どうしてかそう思いたくない。 まあ、色々と言われていることもあるけれど。。 とても悲しいけど、繰り返し反芻して観ると何故か心休まる映画です。 音楽もいいです。サントラ、廃盤なんですね。残念。 |
K2嵐の夏 |
大量遭難事故から生還した登山家の手記です。 作者と同様に経験をつみ、豊かな技術と精神力を備え、人間的魅力にもあふれていた登山のパートナーは下山途中になくなります。この本の問題は、パートナーを悼む気持ちが強すぎて、事故のことを人に伝えようとする工夫がないことです。山に登るまえから「ああ..ジュリア」と2ページおきに嘆かれたのでは、何があったのかかえってわかりづらくなります。作者がその死の痛手から立ち直れないことは理解できますが、事故の問題点を伝えてこそ、本当に鎮魂になるのではないか、などと考えてしまいました。 以上の点を差し引いても、作者の勇気と精神力には学ぶべき点が多くあります。後半の遭難の描写はすさまじく、自然の前には人間はなすすべがないことも実感でき、わが身を正す一冊といえましょう。 |