息子の部屋 ― オリジナル・サウンドトラック |
最高に良いです。 一定の規則正しい波のような、静かでやさしい音楽です。 一人でボーっとしたい時や、眠る前にベッドの中で聴くと 心穏やかになれます。 本当に素敵なCDですよ。 |
息子の部屋 [DVD] |
「カンヌ」「息子の死」などといったキーワードから、最初から涙腺を潤ませる感動作かと、変な先入観を持って観てしまいましたが、
良い意味で裏切られました。 不思議です。 自分の語彙の少なさから上手には書けませんが、物語は静かに進んで行き、息子の死も淡々と描写されてゆきますが、家族の感情の変化はよく伝わってきます。 そして、息子あての手紙と、その手紙を書いた女性がやってきてからラストへの間、こちらの緊張もなぜか解けてゆく・・・ 他の方のレビューにもありましたが、最後に砂浜を家族3人が各々の方向に歩いているのに、不思議と安心感というか、清々しさを感じました。 自分自身、30代半ばを過ぎ、子供もおりますが、父親としての立場で見ると、分析医の立場としても、その患者としての気持ちも痛いくらいわかります。 (うつ病を患っているので) こういう映画が評価されて、日本にいる私というちっぽけな人間でも見るきっかけができて、激しく感情を揺り動かされたことにとても感謝しています。 |
息子の部屋 [DVD] |
● この映画で描かれている家族構成は、父(精神科医)、母(執筆家)、娘、息子(共に高校生位の年齢と思われる)である。この映画の素晴らしさの一因は、この息子の事故死を話題として、イタリア人の家族の在り方、心模様を知ることができることである。 ● 親は子の成長を見守り(恋愛の初期段階を経験している思春期の子どもたちに対する心配りには、教えられるところがある)、コミュニケーションを積極的にとることを心がけている。 ● 精神科医である父親は、日曜日の家族コミュニケーションの時間を突然の仕事で妨げられ、家庭を離れている間に息子が潜水の事故死で亡くなってしまったことに、悔いがある。また、息子がこの事故死の前に、学校である事件に巻き込まれていたことから、死の原因に疑問を持っている。彼は、「過ぎ去ってしまったことはもどらない。前を見よう。残った娘を大切にしよう。」とする妻と対照的に、仕事も手につかないほど気落ちしてしまう。日本でも「不慮の出来事に遭遇したときには母親のほうが強い」と思われているようだが、これは、文化的な相違はなく、ある意味、普遍的なものではないかと、発見した。 ● 静かで落ち着いた筋運びで、それでいて心に染透る秀作である。思春期をお持ちのご家庭では、ぜひご家族そろってのご鑑賞をお勧めさせていただきたい。 |
息子の部屋【字幕版】 [VHS] |
大切な人の死は、どのように乗り越えられるのか。 そんなことを考えさせられる作品です。 たとえば、ラストシーンの海辺では、息子の死後、父が初めて笑う。 時間をかけて、彼らの心や記憶のなかでゆっくり「死んでゆく」のでしょう。 また、「死」を一般化して語ることは危険で、つねに誰かの「死」はその遺族や知人を含む個別の出来事でしかありえない、というメッセージも読み取れます。 たとえば信仰、あるいは科学や論理的分析、精神分析(主人公は精神科医)で語られる「死」一般は!!有効か? この映画ではさらに、その「一般化の危険性」が他のシーンでも描き出されます。 つまり、危機や哀しみに直面したとき、抽象的な「生/死」一般、「医師/患者」一般などを対象にし!て!、語れるのか。 |