五稜郭 [DVD] |
歴史モノ、中でも幕末モノにどうしても惹かれてしまう自分が います。学校の授業では、旧幕府軍というのは悪者で新政府軍は 正義という図式になっています(私の受けた印象では)。 しかし、旧幕府軍にも彼らなりに背負っているもの(旧幕臣の 歴史教育というのは、現政権に都合のいいように作られている ● |
古写真で蘇る 日本の名城I 東国編 (楽学ブックス―文学歴史) |
日本各地の城郭の古写真をもとに東西日本編2冊で構成されています。
写真も興味深いですが、それ以上に各所に見られる筆者の城への 愛を感じます。「城=桜」は軍国主義が桜の散り様と武士の潔さを 絡めて植えたものであって本来の城の姿ではない。や 当時の縄張り 思想からでは天守などあるはずが無いのに建っていたり実際と違うも のが建っているのは歴史認識の誤りで残念だ・・・等々 改めて考えさせられる本です。 |
戊辰戦争 (戦争の日本史 18) (戦争の日本史) |
戊辰戦争を学術的に書かれた本としては、原口清氏や石井孝氏以来の本ではある。
通史以外の本だと、郷土愛が暴走しすぎた本か、新人物往来社系の恩讐史観が篭った本 しかないといっても言い過ぎではない。 通俗的な視点ではなく、今まで語られてこなかった戦争の銃器に関する話と、補給関連 に絡む諸外国との関係と、地元農民への負担などに言及している。 ミリタリーマニアにとっては、戦争そのものの戦術論や武士ファンにとっては武士道の 正義には一切触れていないのが不満かもしれない。その代りに、戦争がもたらした百姓 に対する付加(徴発、陣夫)や、戊辰戦争は近世戦国合戦の最後の形態である事を強調 している。 通読的な本の問題は、近世における戦国合戦で行われてきた「首実検」「陣取り」が行 われた事。武士層にとって略奪・虐殺当然視であるという事であり、新政府軍・旧幕府 軍双方に行われた事を注視している。 戊辰戦争を語る上で、「新政府軍による暴圧」だけに注視して、実は新政府・旧幕府に 限らず支配層(武士層)は一般庶民の生死は全て自分達の腹三寸でしかない事を書かな い作家が殆どである。流石に郷土史家は武士層の暴圧を批判しているが、庶民の戦争被 害についても、自分達の都合のいい部分しか咀嚼しないのでは困ったもの。 戊辰戦争は軍事史の一端であり、それらを冷静に見つける史観に欠けると、カルト的に なるのではないか?郷土愛のみ暴走した昨今の戊辰戦争本には、過去から未来への教訓 とした事例が見えてこない。会津の白虎隊の悲劇が、太平洋戦争のプロパガンダに利用 されたりした事をどう考えたのか?一部の歴史家の自己批判のみしか聞こえてこないと いうのは、戊辰戦争から教訓を得ることは諦めざるおけないのであろうか。 |