明日の記憶 [DVD] |
映画館で見ましたが、途中からこれでもかっていうくらい泣かせるシーンが続いて大変でした。娘の結婚式ぼシーン、自分が壊れて行くことを自覚することの怖さ。原作と比べると、過剰な演出ともいえるでしょうが、映画はこんなものでしょう。細かなことは気にせずに、素直に泣くのがよろしいかと思います。ただ、妻はあまりによくできた人ですねぇ。 |
僕たちの戦争 完全版 [DVD] |
このドラマは素晴らしい。
ただのSPドラマなんかじゃない。 森山未來演じる主人公もいろいろやってくれて、おもしろいのだが 上野樹里が素晴らしかった。 なぜあんなにも色気を出せるのか、なぜあんなにも愛のあるキスができるのか。 上野樹里じゃなかったら、このドラマはここまでおもしろくならなかったな。 現在と過去のタイムスリップは、いかにもって感じでアレなんだけど、 アレはアレで仕方ないか。ラストも海で意識を失って、タイムスリップするという。。。。 でも最後に海から上がってきた彼の顔は非常に良く、 素晴らしいラストとなった。 ただ、ちょっと子供ができたとか、そういうのが軽かったな。 あんな簡単に抱き合って。。。記憶を思い出させようとしてホテルに行くのも。。。 まあ、見ごたえのある、おもしろいドラマでは十分にある。 |
神様からひと言 [DVD] |
決して派手な作品とは言えないが丁寧で質の高いドラマになっていると思う。キャスティングも絶妙でした。 |
押入れのちよ (新潮文庫) |
現実と不気味さがうまく混ざっていて、とってもよいかんじ。
自分の周りにも、こういうことがありそうだから、読んでいてその不気味さを肌で感じることが出来る。 けれど、こわくても、不気味でも、それを親しくおもってしまったら平気になる。 一番初めの短編を読んで、こわーーーー!!と思ったけれど、 その後、じわじわとたまらない気持になりました。 お母様がスープのお肉を食べた時の、その、静かな、でも激しい覚悟に打たれてしまって 本を一度おいて深呼吸しなけらばいられなくなったくらい。 「押入れのちよ」の「はいなるあんさー」は、とっても可愛かった。 一番最後の短編を読んだ後は、自転車のブレーキの音を聞いたら振り返りたくなる。 自分の日常に何気なく入り込んでくる不気味なものを、受け入れることの出来る人に なれたらいいなと思う作品。 |
噂 (新潮文庫) |
「噂」と言う題名通り、冒頭で口コミ宣伝の女魔術師"杖村"が紹介される。杖村は、ある香水の拡販のため、"レインマン"の噂を女子高生を使って流した過去がある。レインマンは可愛い女の子を襲い、足首を切断するが、その香水を付けていれば難を逃れられると言うものだ。この作戦は当たり、香水はヒットするが、いわゆる都市伝説としてレインマンの噂は女子高生の間で流布する。
そして、この噂を踏襲するかのような女子高校生の殺人事件が起きる。物語は、杖村を知る広告代理店の西崎、ベテラン刑事の小暮の二人の視点で語られる。警察はレインマンの事は知らないが、西崎と読者は知っている。これで、犯人が杖村かその周囲の人間、あるいは口コミの発信源に使われた女子高生では工夫が無さ過ぎる。被害者には性的暴行の跡がないが、これで犯人が女性ならやはり芸が無さ過ぎる。犯人がサイコ・キラーなら尚更。作者のアイデアが問われる所だ。それとも単に「噂」の怖さを描こうとしているだけなのか ? 小暮の捜査上のコンビは本庁の若い女性警部補の名島。こうした設定はありがち(女性上司が我娘と言う作品もある)で、新鮮味に欠けるが、名島のキャラは光る。 小暮達もレインマンの噂を知った頃、同様な殺人事件が起きる。被害者は小暮の娘の菜摘の親友。そして、被害者が共にあの香水のモニターだった事に小暮が気付く。イヤッ-な予感が走るが、インターネットを用いた杖村への"噂の反撃"と言う発想は面白いと思った。そして発見される第三の死体。ところが、犯行時期はモニター会の前と推定され、更に名島は重要なヒントに気付く...。私もココで読めたが。 「噂」の脅威に着眼した点は鋭いが、結末が予定調和的(最後の会話はツイストになってない)。「噂」と犯人像の交錯点に工夫を持たせれば、更に良くなったと思われる作品。 |
明日の記憶 (光文社文庫) |
話題になった、映像化された、ストーリーはうすうす伝わってきていた。
そうしているうちに、本屋さんでの扱いが少しずつしぼんできたので、 ヨシッと買って読んでみた。 若年性アルツハイマー症と診断される前後までの、 佐伯さんの不安感は身にしみてよくわかる。 しかし、終盤の終盤に至っても、まだ佐伯さんの内側からの目で 話が展開していくのには、違和感があり、無理を感じた。 破綻はしていないけれど、エピソードを効果的にならべるために、 症状が都合よく利用されている。 締めくくりの姿がいやがうえにも想像されるころになっても、 佐伯さんの思いに救いようの無い混乱はない。 本当にそうか? こんな風に症状と気持ちが進行していくのか? 多くは語られていないが、 病気がわかってからの佐伯さんの奥さんの思いや行動について想像をめぐらすと、 妙に現実感があって、そこに書かれていない真実を感じた。 出来と不出来がない交ぜとなって、評価は星3つとした。 |