サテリコン [DVD] |
キリスト以前の腐敗したローマを中心に描いた巨匠フェリーニの大作です。
1969年の作品故、カラー作品であることは言うに及びませんが、当時として考えても、 映像の構成がとても美しく(部分的には非常に醜く)、話の筋を追わなくとも、ただ見ているだけで楽しめます。 話のプロット的には正直いって、何があるというわけでもありません。 主人公に大きな成長があるわけでもないし、 何か大きなことを成し遂げるわけでもないし、ただただ周りに振り回されながら、 フェリーニの描きたかったところ(場面)へ連れて行ってくれるだけの案内役のような感じです。 フェリーニ作品では個人的に「道」が最高だと思っていますが、 「道」を見た後に同じようなイメージを持って見ることだけはお薦めしません。 フェリーニの才能の幅を感じる作品とでも言うべきでしょうか。 「道」と同じような感動を求めると、もしかするとつまらないと感じる人もいるかもしれません。しかし何といってもこの映像美、そしてこのテーマをここまで描ききったフェリーニの才能に頭が下がるといった感じです。 作品内にキリストという言葉は出てきません。(たしか劇場公開の予告編にBefore Christ)とテロップが出ただけだと思います。 しかし、ある程度西洋史をかじった者であれば、この物語の乱れた世界が後の紀元後の世界に続くと知ったとき、宗教の重要性を感じずにはいられないでしょう。人々が宗教に救いを求め、秩序を保とうとしたり、宗教をもとに争いが起こったりするのもうなずけます。 無理に見ることはお薦めしませんが、上記の内容を読んで関心を持たれた方は見てみてください。見る価値はあると思いますよ。 |
ひちゃこのゲーム体験記 (Bros.comics EX) |
とってもゲームが下手で失敗してばかりなのに、なぜかとってもハイテンション。
あぁ、純粋にゲームを楽しんでいるんだなーと伝わってくる漫画です。 |
嘔吐 |
本書は小説として読むべきではない。
元々は実存主義という主張を小説という形で接しやすくすることがこの本の目的なので、あくまで思想書と割り切って読むほうが本書のなかに小説的な意義を見出す誤りがなくなる分、著者の意図を汲み取りやすくなるからだ。 これが、ただしく理解するための第一歩。 次に、嘔吐とは何か。 嘔吐とはゲシュタルト崩壊である。 実存の上に意味を付与された物が、ある時その意味を離れてなにやら別のものになったような違和感を覚える。 それがロカンタンに起こった嘔吐の真相であり、普通の人は文字(という実存)に違和感を覚える程度だが、彼の場合は日常の生活(という実存)について崩壊が起こり、それが彼を苦しめることになったのだ。 では、なぜ日常が崩壊せねばならなくなったのか。 それは彼が、世の中を実存主義というフィルター(めがね)を通してみたからだろう。 実存主義は毒である。または極度に度の入っためがねである。 それを飲んだものは嫌世に犯されるし、または焦点が合わなくなりくらくらする。 そのフィルター作用の例として、文中では「冒険」を実存主義的に解釈していて、以下のように説明されている(読み取ることが出来る)。 冒険とはロマンに満ち溢れたものであり、夢と希望にあふれている。 これが冒険の定義であり、本質である。 しかし、実際にそれを体験することは出来るのだろうか。 出来ない。 なぜなら、今自分は冒険している、と感じても、それは冒険という定義を感じているだけであり、その定義を演じているだけであり、それは純粋で絶対的なものではないからである。 よって絶対的な冒険なんてない、演じられているだけだ。というのが冒険の実存的解釈で、それによって冒険というものが陳腐な偽者のように思われるのである。 これが「冒険」にとどまらず「喜び」や「憎しみ」といった感情(特権的状態)にも当てはまり、果ては日常全体に当てはまり、世界が輝きを失い、希望も未来も消滅してしまう。 これがロカンタンの陥った、つまりサルトルの堕ち行った実存主義である。 こうなると世の中には価値を見出せない。全ては演じられているだけで偽者なんだから。あーやる気なくなっちゃったなー となるのが普通。 が、サルトルが素晴しいのはそれを知った上でアンガーシュマンを唱えたことだろう。 アンガーシュマンは本来、人間は自由に束縛されている、という意味だが、前述の内容を踏まえ、サルトルが神経症に陥っていたことも考慮すると、実存主義からの脱却という意味合いもあるように思われる。 実存主義に縛られて「無」を否定的に捉えるのではなく、突き放して考え、達観を持って消化することが嘔吐を乗り越えてゆくために必要なことであろう。 |
今夜、宇宙の片隅で |
西村雅彦、飯島直子、石橋貴明のほぼ3人劇で、わたしはテレビで見た後、ビデオで2回も借りてこのドラマを見た。三谷幸喜の作品では珍しいラブコメだが、西村雅彦演じる耕介がとてもせつない。真琴(飯島直子)しか見えずに周りが見えていないため、しくじりどおしなのが笑えて悲しい。特に真琴似のコールガールを部屋に呼んだ際、自分に恥じ入りドアの前で、できない英語で「Go Home!!」と叫ぶシーンは感動だった。このシナリオ本は映像とだぶらせて読めるのでよい。 三谷幸喜の作品の中で一番好きな本だ。 |
BOUNTY SWORD FIRST |
このゲームは音楽が素晴らしい。 シミュレーションとしては並の出来なのですが、なにげに音楽が切なくて情緒があって心に残るのです。 サントラが欲しくなったのですが、もうすでにプレミアがついていて、高すぎて買えませんでした。 仕方なく、音楽をきくためにわざわざこのゲームをプレイするようにしています。 裏技があって、名前を決める際にMUSICと入力すると、このゲームのすべての音楽がエディットで聞けるようになるんですね。 少し面倒くさいのですが、その手前をおしても、やはりこのゲームの音楽は聞く価値があります。 |
宮本武蔵 二刀流開眼 [DVD] |
柳生の里で二刀流を開眼したあと、武蔵以外の人たちの群像ドラマとなるので、武蔵を見たいという人には不満かもしれない。 佐々木小次郎役の高倉健は、三白眼&棒読みの台詞とド派手な衣装のギャップが、無意味にすごい!絶対、人に教えたくなるぐらいすごい! |
スレイヤーズREVOLUTION Vol.5 [DVD] |
スレイヤーズ自体好きなので、贔屓目にこの評価ですが・・・。
やっぱり、NEXTとかTRYが好きだった人間として、また、原作が好きな人間として「う〜ん・・・・」という感じではあります。 ストーリー展開は、短い話数だったのもあると思いますがいまいち。私も、デュクリスのあの始末のつけ方はどうかと思いましたよ。そんなんでいいのかよ、と。 アニメとしてもどーしても前作とか思いだして・・・・。テンポ、動き・・・・昔のがクオリティ高いなぁ・・・・。なんて。 まあ、それでも現代アニメとしてのCG的な綺麗さとか、今までとは違うアニメ・スレイヤーズを見れるという点は良いかも。 |
龍が如く 見参! |
安定した良さを感じました
話もそんなに悪くなく、クリア特典や、やりこみ要素も悪くありません (でもひとつだけ言うなら、宮本武蔵である意味あんのかな…とか…でもそういうのって雰囲気だよね…うん、きっと気にしちゃいけないんだ…あははは…) 本編をクリアした後は本編で入手した資金をそのまま引継ぎ、かつクリア時の難易度に応じた賞金を次週からもらえます(アイテムなんかも引継ぎ) レベルとかは元に戻りますが、強い武器なども全部持ち越されるので、かなり強い状態でプレイすることが出来ます(高難易度もプレイしやすくなります) 龍が如くをこよなく愛する人からすればナンセンスな舞台ではありますが、本当にその時代を歩き回っている気分にさせる町や建物、風景の描写は、どこかで見たことあるような雰囲気でも新鮮に味わうことが出来ました 戦闘時は素手、一刀、二刀と切り替えが出来て、それぞれに応じた特殊アクションもあります 技や奥義もあって、町を徘徊している時にふと天啓を得たり、道場で天啓を得たりして習得します ストーリーに関するミッションの他にサブミッションもあり、お尋ね者を退治したり、町の人の依頼を受けたり出来ます 特にやる物がない人は、最近値段も落ちているようだし買ってみてはいかがでしょうか どっちかと言うとお勧め(すんごくアイマイ…) |
新ブラックジャックによろしく 5 移植編 (5) (ビッグコミックススペシャル) |
この巻では、まだ主人公は移植しません。
しかし、脳死判定の患者が出て、リアルに臓器移植の現場が描かれています。 少し気持ち悪くなりました。 私はドナーカードは持っていませんが、改めて臓器移植の提供はできないなと感じさせらました。 臓器を移植された側の患者の描写もあり、なかなかの人間ドラマが描かれています。 良書です。 |
シュガシュガルーン (1) (KCデラックス (1859)) |
ものすごく迷ったのですが、「安野モヨコだから大丈夫・・・安野モヨコだから大丈夫・・・」と唱えながら購入しました。
読んでみて成人男性の私でも普通に楽しめるというところにまず驚き、そしてこれが『なかよし』に連載されており、主に小学生の女の子が読んでるんだということに改めて気づいて愕然としました。私が小学生の頃は川でザリガニ捕って喜んでいたのに、同級生の女の子はこんなの読んでたとは・・・。 恋愛では一生女性には勝てないなと心から思いました。女の子はすごい! |